私は部下を褒めるのが苦手です。
何か照れくさいような、歯が浮いたような感覚になり、うまく部下の成功を言葉に表すことができません。わざとらしく思われるのではないかと思ったりもします。
褒めることは教育にならない。部下が「これでいい」と思って成長の努力をやめてしまうのではないか、ということもあります。
昨今では「褒めて育てる」ということが言われて久しくなりました。どうすればいいのか考えてみました。
褒め言葉を使うことが苦手だということ
私も経験があります。
部下との成果確認の場面、部下が目標を達成した時に「今期の目標は達成できましたね」という結果を話すだけ、ひと言「ご苦労様でした」というぐらいです。
頭の中では、もっと褒めてどのように困難を乗り越えてきたのか、部下の苦労話を聞くようにすることが部下との信頼関係を築くのに必要なことだとわかっているのですがなかなかできません。
最近の職場では、部下は上司から褒めてもらいたいと望んでおり、認められたいという欲求が強いという傾向があるようです。
以前であれば 言わなくても雰囲気で察するという文化でしたし、敢えて褒めなくても仕事へのモチベーションが高かったようにも感じます。
しかし、今は黙っていては伝わらず、誤解される怖れもある文化になってきています。
なぜ褒めることが難しく感じられるのでしょうか。
冒頭申しましたように、褒めるということに対して、そこまで言わなくてもという感覚、わざとらしく思われるのではないかと考えてしまうことがあります。
部下育成のためには、甘やかしてはいけないということもあるかもしれません。
はっきり注意しなければと思うことはありますが、はっきり褒めなければという感覚はこれまでありませんでした。
褒め言葉を口癖にしてみよう
上司であれば、部下との信頼関係を築き、部下のモチベーションを高めていかねばなりません。
そのためには、部下を褒めるということが必要になります。
「褒める」ということは苦手なので、相当しっかりと意識しないことには、なかなか自然に使いこなすことはできません。
克服のためには何とか口癖や習慣にするのが良いのではないでしょうか。
相手のテンションを上げる「褒める5S」というのがあります。
- さすが!
- すごい!
- 素敵!
- 素晴らしい!
- 最高!
部下が資料の作成を終えて報告に来た時、「すごいね!さすがだね!」
部下のプレゼンが終わった時「素晴らしい!最高の出来だったよ!」
部下の目標面談の場で「さすが!君ならできると思っていたよ!」
ちょっとわざとらしいですが、 「褒める5S」を会話入れて話をしてみましょう。
褒められて嫌な気持ちになる部下はいないはず。
褒めることで、意識がポジティブな方向に向かいます。テンションが上がり、対話に勢いがつきます。
「褒める5S」が職場で飛び交うようになると職場全体が明るくなります。
5Sは褒め言葉にとどまらず、職場に勢いをもたらす勇気を与える言葉にもなるように思われます。
こんな効用を考えて5Sの言葉を使ってみてはいかがでしょうか。
「褒める5S」を一日1回、部下との会話の中に折り込むことを決める。
これをマネジメント習慣の中に組み入れることで、口癖にできればいいなと考えました。
最後に
部下をどうしたらうまく褒めることができるかを考えてきました。
「褒める5S」を口癖にするということをあげました。
松岡修造さんの出演するテレビ番組を好意的に見ています。
冷ややかに見る向きもありますが、彼が出演していると不思議とポジティブな気持ちになるものです。
彼のもつ「熱さ」を見倣うことも必要です。
少々彼をイメージしながら「ノリ」で褒めるのもいいかもしれません。
常識的に考えると、なんでもかんでも褒めるのがいいというわけではないでしょう。
当然、叱るということも大切です。
褒めることと、叱ることの両方をやらなければならないのだろうと思います。