セルフコーチングのための座右の質問4(うまくいかないこと、失敗の原因を探すための質問)

№235 なぜ失敗してしまったのか、うまくいかなかった時にはその原因を知ることが大切です。

「どのあたりからうまくいかなくなったのか?」

成功した時には成功の原因があります。失敗した時には失敗の原因が必ずあります。

失敗の原因を考える時、「何故、失敗したのか?」「何故、うまくいかなかったのか?」とストレートに聞くこともできるのですが、それでも分からない時はこの質問を自分に投げかけます。

『どのあたりからうまくいかなくなったのか?』
『どこで躓いたのか?』

“悪い情報ほど早く報告しなればならない”ということがあります。
トラブルが起こった時、「自分で何とかなりそうなのでうまく対処してから後で報告をしよう」や「ちょっとしたことなので報告するまでもない」と考える。そうしているうちに問題が大きくなり、手の打ちようのない状態に陥ってしまう。あの時に相談していれば...。

ものごとにはそこに至る過程が必ずあります。
どこかに踏み外した瞬間があったはずです。

どのあたりからうまくいかなくなったのか、そもそもの発端を考えることは原因を探るための第一歩として有効です。冷静に過去を振り返って違和感を持った場面を思い出すのです。

成功と失敗の分岐となった地点を見つけて、その時何が起こっていたのかを思い起すことが大切です。

「その時、自分は何ができたのか?」

分岐点に思い至ったら次の質問です。

『タイムマシンに乗ってその時に戻ることができるとすれば、あなたは何をしますか?』
『自分には何ができたのか?』

失敗への流れの起点が分かれば、次にどのように対処すればよかったのかを考えます。

同じ過ちをしないための気づきが得られます。

先の例で言えば、トラブルが起こった時に上司への報告が頭をよぎった瞬間です。

タイムマシンで戻ることができれば、どんなカタチでもいいので上司の耳に入れておくという行動を選択するでしょう。

事の大小にかかわらずまずは上司に報告をしておく、という気づきが得られるわけです。

原因探しを他責にしない

何故うまくいかなかったのか、原因について実は自分では気づいているもののそれを自分では認めたくないという心理が働いてしまいます。

往々にしてやってしまうのが他責です。

原因を他責にすると次への成長はありません。

あいつが原因だ、あいつが悪い、会社が悪い、世間が悪い、環境が悪い、運が悪い、すべて他責です。

たとえ失敗・成功の分岐点が分かったとしても、原因を他責にすることは次の自分の行動に結びつきません。

教訓が得られず、失敗経験からの成長が得られないからです。

原因の探しには2種類の「ついきゅう」があります。

追及追究です。

「追及」は人・責任を追い詰めるという意味です。犯人追及、余罪追及、責任追及などに使います。
「原因追及」はまさに犯人探しです。“あいつの責任”(俺は悪くない)では成長がありません。
原因を探すにあたって他責の犯人探しは望ましくありません。

「追究」は物事を明らかにするという意味です。まさに原因追究、真理の追究というように使います。
失敗の原因を事象として客観的に捉えて未来に活かすための原因追究であって欲しいと思います。

なお、文字通り追い求めるという意味の「追求」がありますが、理想、利潤、幸福など、目的に向けて歩んでいくという使い方になりますので、「原因追求」では少し意味がズレてしまいます。

常に自分に矢印を向ける、行動を問う

うまくいかないこと、失敗の原因を探すためのセルフコーチングのための質問をご紹介しました。私の座右の質問のうちの一つです。

何故、原因追究する必要があるのか?

それは次に同じ轍を踏まないため、自分の成長のためです。だから、自責で考えなければなりません。

セルフコーチングでは、関心の矢印は自己に向かいます。

『今、自分に何ができるのか?』
振り返っては『その時、自分に何ができたのか?』

最後は「行動」を問うようにします。

なぜなら、行動によってこそ成長が可能となり、2度と同じ失敗は繰り返さない行動が成長の検証になるからです。

この記事を書いた人

アバター画像

西口満

「気づきによる学び、自ら成長する」を支援し、ひとりひとりのウェルビーイングの実現と生産性の高い職場のチームづくりを行い、企業や社会の発展に貢献する

ビジネスリーダー育成コーチ、
人事戦略のコンサルティングをしています。

プロフェッショナルとして「人の成長」に関わり続けることをライフワークとし、少しでも誰かの成長のお役に立てれば幸いです。

ブログでは、そんな私が学んだこと、気づいたこと、感じたことを発信し、誰かの、何か、前進のヒントになればと思っています。

これからも情報を発信し続けます。

詳しくはこちら