齋藤精一氏「プロジェクトを成功させるディレクション」からのヒント、これから求められる能力

2019年4月21日№173ワンセンテンスブログ

六本木未来大学での講義録『1→10に広げる企画の極意』(六本木未来大学編、日本経済新聞出版社)を読んでいます。

この講義録の中に、斎藤精一氏の「プロジェクトを成功させるディレクションって何ですか?」というタイトルの講義が載っていました。

齋藤精一氏(ライゾマティクス代表)は、アート・コマーシャルの領域でインターラクティブな作品を多数製作し続けておられ、多くの広告賞を受賞されている有名なディレクターです。

きゃりーぱみゅぱみゅの20歳の誕生日、増上寺と東京タワーをプロジェクションマッピングで飾ったイベント「FULL CONTROL TOKYO」はKDDIのコマーシャルになりました。彼の作品です。

これから求められる能力「ディレクション」

齋藤精一氏は、この講義で、プロジェクトを成功させるために必要なディレクションについて語っておられるのですが、これから求められる能力として大きなヒントが得られたように感じられました。

「ディレクション」という言葉は、そもそも「方向づけ」「指示・命令」と意味を持っています。

広告やシステムの製作において、進捗の管理をしたり、チームを率いて指揮を執る仕事を指す言葉です。

多く個性を結集し、創造していく役割をディレクターと呼ぶとすれば、これから求められる能力はまさに「ディレクション」なのではないでしょうか。

講義録の中に、「非分野主義」「自分にあるすべてを道具として使う」という言葉がとても印象に残りました。

「非分野主義」で異分野を融合する能力

仕事にひとつのプロフェッショナルを持つことは大切なことです。

以前であれば、例えば「自分はマーケティングのプロフェッショナルです」で良かった時代がありました。

プロフェッショナルとして、ひとつの視座視点をしっかり持っておくということは大切なことでした。

しかし、これからは分野をできるだけ多く横断することが求められるとのことです。

例えば、マーケティングであれば、自業界だけでなく他業界でのまったく関係のない市場の発想を持ち込むようなことです。

もっと極端には、マーケティング×電子工学とか、マーケティング×能楽とか、全くの異分野の融合が「変革」を生む可能性を高めるということです。

ジャパネットたかたの創業者の高田明氏が、TVショッピングでの商品訴求術について世阿弥の芸能論である「風姿花伝」をもとに語っている日経新聞の記事がありました。

このような融合の掛け算ができる能力がこれから求められる能力なのではないでしょうか。

「自分にあるすべてを道具として使う」

もうひとつ印象に残ったキーワードです。

仕事についての自分のブランディングを考えると、以前までは、自分はどこの大学を出て、何が専門で、これまでどういうことをやってきたか、が重視されていました。

しかし、齋藤精一氏は言います。

「これからは趣味は何かとか、どのようなことに興味があったとかまで、すべて使える日がきます。ですから、知識、思考、回路、友達、チーム、技能、技術、人生、それらのすべてを道具として使って、自分は何をすべきかを考えてください。」

非分野主義につながる言葉です。

要するに「個性」そのものフル活用する時代になってきているということ。

「個性」をフル活用する者が成功する時代になってきているということです。

どんなことでもいい、好きなこと、興味のあることをどんどん深める

まさに「好き」を仕事にする「個性」を磨くことがこれから活躍するための鍵になるということです。

私は、人材育成のプロフェッショナルでありたいと願っていますが、もっと自由に興味を広げ、仕事以外の「好きなこと」も深めていきたいと改めて決意した次第です。

この記事を書いた人

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西口満

「気づきによる学び、自ら成長する」を支援し、ひとりひとりのウェルビーイングの実現と生産性の高い職場のチームづくりを行い、企業や社会の発展に貢献する

ビジネスリーダー育成コーチ、
人事戦略のコンサルティングをしています。

プロフェッショナルとして「人の成長」に関わり続けることをライフワークとし、少しでも誰かの成長のお役に立てれば幸いです。

ブログでは、そんな私が学んだこと、気づいたこと、感じたことを発信し、誰かの、何か、前進のヒントになればと思っています。

これからも情報を発信し続けます。

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