№172 T字型思考法は思考の明確化の方法のひとつです。
自分の頭の中でモヤモヤと言葉にならない思い「内なる言葉」をカタチにし、人に話したり文章にしたり「外に向かう言葉」にする時に使います。
梅田悟司氏の「『言葉にできる』は武器になる」(日本経済新聞出版社)で紹介されていたフレームワークです。
手法の手順についてご紹介します。
T字型思考法の手順
手順1.まず頭に浮かぶことを書きだす
- 方法は簡単です。まず、ハッキリさせたい課題をタイトルに書いて、頭に浮かぶ考えを書いていきます。
- 人に見せるものではありません、リラックスして自分の「内なる言葉」に耳を傾けましょう。考えるのではなく、心のままに書きだしてみます。
- 書き出したものの中で、これは本音に近いな、と思うものに印をつけます。(例:赤字にしました)
手順2.考えをT字型に広げる
- T字型で考えを広げていきましょう。
- 横に「それで?」「本当に?」、縦に「なぜ?」という問いを立て、順に答えていきます。
- 横縦に展開する中で、本音に近い、これはと思うものに印をつけます。(例:赤字にしました)
手順3.右「それで?」思考を進める
- まず、「それで?」について、結果や行動について書き出してみます。
- 「それでどうなるの?」「その結果何が起こるの?」という問いに答えながら右の箱の中に書き込んでいきます。
- 書き出したものの中で、これはと思うものに印をつけます。(例:赤字にしました)
手順4.左「本当に?」思考を戻す
- 続いて、これまで浮かんだことに対して「本当に?」という問いを自分に投げかけます。
- 「本当にそう思うのか?」「本当にそういう結果を望んでいるのか」など、結果、未来へ向けた思考をもう一度元に戻して問い直します。
手順5.下「なぜ?」思考を深める
- 最後に「なぜ」という問いで深掘りをします。
- 「なぜ?」という質問はそもそもの根っこに対する問いになります。「なぜ、そう思うのか?」にしっかり向き合いましょう。
- 「なぜ?」という問いかけに対する答えに、さらに「なぜ?」を繰り返すこともできます。そうすることでさらに考えが深まります。
手順6.T字シートを眺めて考えをまとめる
- T字の4つの四角がすべて埋まったところで、だいぶモヤモヤしていた考えがはっきりしてきます。
- シート全体を眺め、出てきた言葉を使って自分の考えを語ってみます。
- 特に本音としてチェックした言葉、文章を連ねて語ってみると良いでしょう
注意するところ
- 素直に本音で考えます。一度出した言葉は消したりせずに残しておきましょう。
- 「問う」「出す」「書く」をリズムよく繰り返すようにしましょう。
- 中心課題から脱線しないように、自分の価値観やビジョンに近づいていくということを常に意識します。
- ネガティブな「思い」を否定する必要はありません。しかし、最終的には「前へ進むためにこの思考法を使っている」ということを忘れないでおくことも大切です。
- T字型の4つの四角の中には重複の言葉も入っていても大丈夫です。
- 要は、モヤモヤしていたものをいろいろな質問によって視座を変えて吟味しただけですので、同じキーワードが出てきても当然のことなので、気にする必要はありません。
最後に
簡単なフレームで、深く考えることができるので、私は気に入りました。
ある程度、他人に語ることができる「考え」に仕上げることができるように思います。
主催のワークショップを開催する際にも演習フォームとして活用してみようと思います。
なお、この思考法は、六本木未来大学での講義録『1→10に広げる企画の極意』(六本木未来大学編日本経済新聞出版社、梅田悟司氏の記事)の中でも取り上げられています。
ブログで取り上げたフレームワークをまとめたページ「フレームワークの窓」をつくりました。
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