ファシリテーションはリーダーに必要な能力、1対多のコミュニケーション力

2019年4月18日№170

「ファシリテーション」という言葉をよく聞くようになりました。

一般には、会議の司会進行役のように、単純に捉えられていることもありますが、決してそれだけではありません。

ファシリテーション(facilitation)とは

人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶよう舵取りすること。集団による問題解決、アイデア創造、教育、学習等、あらゆる知識創造活動を支援し促進していく働きを意味します。

日本ファシリテーション協会FAJホームページより

ファシリテーションとリーダー

ファシリテーションをする人のことをファシリテーターと言いますが、一般にはリーダーそのものを指す言葉ではありません。

Facilitateの意味は、” 容易にすること、簡易化、促進すること、助成、助長 ”です。

例えば、会議ではリーダーとは別にファシリテーターを立てます。

ファシリテーターは議論そのものに加わらず常に公正な立場でいなければなりません。

リーダーのように、議論を主導する意見を述べたり結論を出したりする権限は持ちません

私はファシリテーションを次のように捉えています。

ファシリテーションとは、会議、ミーティングなどの場で、発言や参加を促したり、話の流れを整理したり、参加者の認識の一致を確認したりする行為で介入し、合意形成や相互理解を支援、促進することと。組織や参加者の活性化、協働を促進させるリーダーの能力のひとつである。

リーダーにはファシリテーション能力が必須であると考えています。

ファシリテーションスキル

ファシリテーションスキルは、リーダーにとっては、チームや組織を運営するためのスキルであり、人間関係構築に深くかかわる重要なスキルです。

リーダーのコミュニケーションスキルとしては、対話を通してメンバーの言葉、気持ち、アイデアを引き出し、多様なメンバーをゴールに向けてまとめていくことが求められます。

メンバーの「優秀さ」を引き出し、行動へと向かわせるスキルということになります。

この、「引き出す」「まとめる」というスキルは、ファシリテーションの主要能力の一つです。

1.引き出す(働きかけて、隠れたものを表に出す)

・意見、やる気、目標、アイデア、才能、強みなど...ポジティブなもの

・妬み、不安、苛立ち、怒り、文句など...ネガティブなもの

⇒日常から会議など、さまざまな場面でメンバーに積極的に働きかけ、どんな意見も言えるし、聞いてもらえる、自由な発言の雰囲気と仕組みを作り出すことが、強くポジティブなチームを作る(リーダーの役割

2.まとめる(合意形成)

・ばらばらのものを集めてひとかたまりのものにする、互いの意思を一致させること

そして、リーダーとしては最終的に「決める」ことが求められます。

純粋なファシリテーション能力としては、「決断力」は当たりません。但し、メンバーの意見を集約し、合意形成することはファシリテーションの重要なスキルのうちのひとつになります。

まとめ

リーダーに求められコミュニケーション能力は2つあると考えています。

1対1のコミュニケーション能力はコーチングに代表されるスキルです。

もう一つは、1対多のコミュニケーション能力はファシリテーションです。

ファシリテーションについて学ぶときに、会議の効率化のような視点ではなく、リーダーシップを磨く視点で取り組むべきと考えています。

ファシリテーションについてのセミナーへ参加される機会があれば、是非「リーダーシップを学ぶために参加した」という気持ちで臨まれてはいかがでしょうか。

ファシリテーションの世界は深く、行政、教育、社会へと広がりは果てはありません。「促進」したいものはたくさんあるからです。

この記事を書いた人

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西口満

「気づきによる学び、自ら成長する」を支援し、ひとりひとりのウェルビーイングの実現と生産性の高い職場のチームづくりを行い、企業や社会の発展に貢献する

ビジネスリーダー育成コーチ、
人事戦略のコンサルティングをしています。

プロフェッショナルとして「人の成長」に関わり続けることをライフワークとし、少しでも誰かの成長のお役に立てれば幸いです。

ブログでは、そんな私が学んだこと、気づいたこと、感じたことを発信し、誰かの、何か、前進のヒントになればと思っています。

これからも情報を発信し続けます。

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