研修講師のためのヒント、研修の前に期待感を高めるメールを出す

№226 企業研修を行う時、受講者は必ずしも積極的に参加をするわけではありません。忙しい中、職場を離れて、集合研修に参加することに対しては少なからず抵抗があります。

受講者の方々の抵抗感を少しでも和らげ、前向きな気持ちで参加してもらえるように何か工夫はできないものかと考えてみました。

講習会型からワークショップ型へ

最近は、知識伝授を中心とする講習会型の研修から、考える場、議論、意見交換、交流を中心とするワークショップ型を重視する傾向があり、昔のような先生-生徒型の研修は少なくなりました。

もちろん、法改正の説明会や資格取得のための学習会など講習会も必要で、ニーズの多様化、棲み分けが進んで来ています。

知識を学ぶなら研修会でなくてもできます。本や通信教育で学習することができますし、Eラーニングやビデオ学習もあります。新しい情報についてはネットで調べる方が早く手に入ります。

人が集まる研修会は、知識というよりも体験や実践参加者どうしの交流創発の場であることが求められるようになりました。

講師の役割も先生ではなくファシリテーターナビゲーターに変化しています。

事前課題について

研修の前に事前課題を出すケースが増えてきました。

研修の講師としては、研修時間を効果的に使い、最大限の教育成果を上げたいためによく使う手段です。

受講者の立場になると宿題をもらったようで憂鬱になってしまいます。

少しでも受講者の憂鬱な気持ちを緩和し、前向きな気持ちで取り組んでもらう工夫はないでしょうか。

ひとつは、研修の目的、趣旨を事前によくお伝えすることだと考えています。

研修が今の「あなた」にとっていかに有益かを伝えることが最も重要なことだと考えます。

また、カリキュラム、進行表を具体的な形でオープンにし、見通しを立ててもらうことも必要です。

見通しを立てることによって、事前課題の位置付けも理解できますし、少々圧力がかかりますが、課題に取り組んでいないと当日困ることが想像できます。(ただし、講師としては事前課題をやってきていない人にも十分対応できるように考えておくのは言うまでもありません。)

よくある方法として、課題図書を予め読んでおいてもらうこともあります。

課題図書は手元に残りますので、研修後も活用できますし、内容もしっかりしているのでとても有効なのですが、受講者にとってかなりの時間が必要となり、大きな負担となります。

最近はノウハウ本もマンガで出版されているものがありますので、そういうものを指定するということで工夫すると良いでしょう。

研修の内容によりますが、自己分析ツールやアセスメントを事前課題とするケースがあります。

研修の事前課題というよりも研修時間の短縮を目的とするもので事前準備の類です。

この場合、アセスメント結果を研修の場で返却する場合が多いように思いますが、できれば結果を研修の前に返却し、結果に対する感想を書き出してもらうところまで考えてもらいたいところです。

結果まで事前に知ってもらうことで、研修に対する関心は高まり、負担感を打ち消すことになります。課題意識を持って参加するきっかけになります。

アセスメント実施の工数はかかりますが、結果に対する感想をまとめる程度であれば受講者にとってそれほど大きな負担には感じないのではないでしょぅか。

いずれにせよ、事前課題は必要最低限のものにとどめたいものです。

期待感を高めるためにメルマガを活用

私の場合は、事前にメルマガを配信するカタチで気軽に読んでもらえるように工夫をします。

メルマガだと抵抗が少なく入りやすい。隙間の時間に気軽に読んでもらうことができます。

それ程ボリュームを多くすることはできません。複数回定期的に送ることである程度の内容を要点を絞って伝えることができます。研修後も継続するとフォローにもなるメリットがあります。

初回には、講師の自己紹介をしておきます。単なるプロフィールでは硬い印象なのでプライベートを含んだエピソードを交え、少しでも親しみを持ってもらうように工夫します。

研修で顔合わせをした時、初手から雰囲気が和みます。効果は抜群です。

研修時に使う用語なども解説をしておくことで、受講生の理解の助けになります。研修で学んでほしいポイントも簡単に触れておきます。

私は、「皆さんは○○について、どのように考えておられますか」といった質問を投げかけるようにしています。研修に臨む前に何らかの問題意識を持ってきてもらいたいからです。

最後に、「研修の場で皆さんと一緒に考えていきたいと思います。」と結んで、研修で講師が答えを教えるというよりも伴走しながら共に探求していく姿勢であることを伝えます。

あくまで研修の主人公は受講者の皆さんです。講師は情報提供者であり、支援者であるということです。

メルマガもあまりなれなれしくてもいけません。くどくなってもいけません。研修前の1ヵ月、3~4回程度が適当だと考えています。

研修への期待感がいつの間にか芽生えている、そんな状態が作り出せれば最高です。

研修会で一番大切にしているもの

誰かに言われたから動く、誰かの指示で動く、という受け身では成長がありません。成長があったとしてもとても遅いものです。

どんな研修会でも、受講者の皆さんに伝えたい基本メッセージは「自分で考え、自分が行動する」というものです。

成長の階段は見えているか?
一段目は?
二段目は?
階段の踊り場は?
登り切った先には何が待っている?

成長を意識することで、成長は確実になりますし、速度も上がります。

私は、自分で考え、行動する、意識した成長を支援したいと考えています。

この記事を書いた人

烏山資之

烏山資之

企業で「人の成長」にかかわる仕事に長く携わってきました。

プロフェッショナルとして「人の成長」に関わり続けることをライフワークとし、少しでも誰かの成長のお役に立てればと思っています。

ブログでは、そんな私が学んだこと、気づいたこと、感じたことを発信し、誰かの、何か、前進のヒントになればと思い情報を発信し続けます。

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