No.81「ペイオフマトリックス」は多くのアイデアに対して2軸(基準)を設定してマッピングし、整理・分析するフレームワークです。
2軸(基準)は、重要度、実現可能性、効果、影響度、緊急性など、大小や高低の程度で設定するケースもあれば、単純な基準として男/女、日本/海外、年齢60歳未満/60歳以上など、2分する軸を使うケースもあります。
ブレイン・ストーミングなどで数多く出されたアイデアを2軸で作ったマトリックス表の中にマッピングすることでアイデアを比較・分析し、意思決定に使います。
ペイオフマトリックスの活用事例をご紹介します。
行動リストの優先順位づけ(事例)
私の場合は、行動リストの中から優先すべき行動の順位づけに役立てています。
縦軸に重要度、横軸に緊急度を設定します。
やらねばならない行動を次のようなマトリックス表にマッピングしてみると優先すべきことはなにか、意思決定の指針や戦略が見えてきます。
縦軸:重要性 横軸:緊急性
- A象限は重要だが緊急を要しない領域
- B象限は重要かつ緊急を要する領域
- C象限は重要でないが緊急を要する領域
- D象限は重要でも緊急でもない領域
通常は、B象限を優先して実行します。重要で締め切りが近いので何が何でもやらなければなりません。
しかし、重要事項を締め切りに追われて十分吟味できない状態で進めるのはあまりよい結果を生みません。
リスクもありますし、精神衛生上もよくありません。
そこで、戦略としてはA象限を実行するための時間をいかに確保するかを工夫することに注力することが考えられます。
時間を有効活用するための行動戦略
「急がないが重要な案件(A象限)のための時間を増やし、その他の案件(BCD象限)にかける時間はできるだけ減らす」という戦略になります。
・急がないが重要な領域(A象限)への取り組み方針
戦略方針としては、いかに優先して実行するかということを考えます。
将来に向けた良い仕事をするためにも、できるだけじっくりと考える時間がとれるよう工夫します。
・重要かつ緊急を要する領域(B象限)への取り組み方針
戦略方針は効率化」です。
とにかく避けては通れませんので効率をあげてやりきることになります。
他者の活用、隙間時間の活用など、時間管理のテクニックを駆使するように考えます。
そもそもこのB象限に案件を持ち込まない「予防・事前準備」ということも重要です。
B象限の案件は、A象限の放置から生じるものも多いので、そのためにもA象限の案件に予めしっかり取り組むということが本来的です。
・重要でないが緊急を要する領域(C象限)への取り組み方針
急ぐので優先的に取り組みせざるを得ず、ドタバタの一日になりかねません。
この象限への戦略方針は委任です。
できるだけ自分で抱え込まず、誰でもできることは他者に任せることができないかを考えます。応援を頼めないかを考える象限です。
・重要でも緊急でもない領域(D象限)への取り組み方針
この象限への戦略方針は消去・放置です。
できるだけ時間を割かないようにします。意外とスルーしても支障の出ないことは多いものです。
ペイオフマトリックスではこんな行動分析、戦略方針の立案が可能になります。
活用のコツは2軸の設定
ご紹介したマトリックスは2軸に重要性、緊急性を置きました。
その他にも、例えば「自分/他者」軸と「緊急性」軸をマトリックスにして行動リストをマッピングすれば、他者に振り回されている自分が浮き彫りになるかもしれません。
「突発/定期」軸、「自分の夢への直結度」というような軸も考えられます。
ペイオフマトリックスでは、どのような軸を設定するかがポイントになります。
私の活用例をご紹介しましたが、お読みいただいている皆さんのお役に少しでも立てれば幸いです。
ブログで取り上げたフレームワークをまとめたページ「フレームワークの窓」をつくりました。
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