№237 自分の活躍の場はどこにあるのか、何をすればいいのか、自分のしたいことよく分からない時は、この質問が脱出のヒントをくれます。
今まで自分は何に感動してきたのか
自分の過去を振り返ってみた時に、
『あなたはどんな場面で感動してきましたか?』
と自分に投げかけてみましょう。
これまで自分についてのことをあまり深く考えていなかった。あるいは、好奇心が強く、あれこれと関心事に引っ張られて集中できない。
日々仕事を一生懸命やっているものの、ふと立ち止まった時に自分には何も残っていない。専門的な知識・スキルを身に着けておきたいが、何が良いのだろうか?
このままでよいのか。
自分は、本当は何をしたいのか。
そんな時に機能する質問です。
心動いた場面が自分の活躍領域
自分の人生が感動に満ちている、そんな人生を生きてみませんか。
私は、今、人材育成が「仕事」です。自分の絶対的な活躍の領域と考えています。人の成長に関わり貢献することが自分の使命です。
きっかけは、17年前に遡ります。当時、人事の仕事をしていました。
ちょうど制度改革のタイミングで、新たなマネージメントシステムを導入する際に、社内研修の一環で名だたる管理職を前に、組織開発、マネージメントの研修講師を勤めることになりました。
初めての経験でしたが、外部講習会、書籍を読み漁り、相当の準備、努力をすることで見事、研修会を成功に導きました。
やりきったという安堵感と充実感を得たことは言うまでもありません。
忘れられないのは、ある幹部A氏からの一言です。「ありがとう、とても分かりやすかった。シリーズ化して徹底したらどうか」それと「おまえ、講師、向いてるなぁ」という言葉をいただきました。
しばらくして、自分の活躍できる場はどこにあるのかを考える時期がありました。
これまでも仕事をする中で、知識・経験を身に着けており、そこそこ何でもできるという自負はありました。
しかし、求められれば何でもそれなりに貢献できるというレベルにあるものの、「これ」というものがなく本当にそれでいいのか?と強く思うことが時々ありました。
そんな時に出会った質問がこれです。
『あなたはどんな場面で感動してきましたか?』
私は、真っ先にA氏の言葉を思い出しました。
「おまえ、講師、向いてるなぁ」
その後、研修講師をする機会が何度かあり、研修で話をしている時の高揚感、終わった時の充実感、そして受講者の方々の感謝の言葉を聞いていました。受講者が受講後に行動変容を遂げ、成長していく姿を見るのは感動ものです。
この感動が自分の活躍の領域だと感じました。
人材育成を使命とするきっかけとなりました。
その後本格的に、研修講師として登壇する機会があれば手を上げ、自ら企画し、実践するようにしました。
ノウハウ蓄積のためにできる限りの機会を活用しようという方針を立てて実行してきました。ブログを始めたのも同じ理由です。
波乱万丈であっても、自分が望む感動があれば、努力もすすんでできます。
自分の感動するものに携わりつづけることが、最高の自分の活かし方なのではないでしょうか。
そのために自分が何に感動してきたのかを問うのです。
自分の根源を問う
人それぞれ、感動することは違います。
感謝されたり、人の役に立ったことに対する感動でも、それぞれの原体験が違えば、進む方向も違ってきます。
例えば、営業職でれば、お客様との関係の中での感動が体験となって、自分の「仕事」の価値を見出すことになるかもしれません。顧客へのサービス提供のノウハウが自身の強みとなり、効力感の源泉になるでしょう。
研究開発職であれば、自分の開発した製品・技術が社会で活用されているという感動がモチベーションになるかもしれません。技術にかかる専門領域が自身の効力感の源泉になります。
金を稼ぐこと、山に登ること、テレビドラマに感動することに感動することもあります。
仕事に結びつけなくても、何かやり遂げることに感動してきた自分を思い起こせば、今直面している問題を何とか乗り切るための勇気を思い起こすことになります。
テレビドラマでも、家族愛のドラマにいつも感動することに思い至れば、家族との関係を考え、家族の幸せを中心に据えた生き方を考えるきっかけを得るかもしれません。
『あなたはどんな場面で感動してきましたか?』
自分は、何を好きなのか、何を心地よいと感じるのか、何にこだわりを持っているのか、何に価値をおきたいと思っているのか、
この質問には、それらを明らかにする力強さがあります。
そもそも自分は何者なのかといった自分の根源を探る質問だといえるでしょう。
自分にとっての大切な「座右の質問」のうちのひとつです。