「考動する」考えて動くのか?動いて考えるのか? 私の人材育成論

№201「主体性を持って考動する」「自分で考え行動する」こんな人材を育成することが私の使命であり、人材育成のポリシーだと考えています。

こんな問いを立ててみました。

「考えて動く」と「動いて考える」どちらが重要か?

考えてから動かないと効率が悪い、間違った方向へ進んでしまう、だから行動する前に考えないとダメだと考える人、あれこれ考えずにまずは動いてみないとダメと考える人、様々なのではないでしょうか。

まずはアクションありき

この問いに対する私の回答は「動いて考える」です。まず行動そのものを重視しています。

「考えてばかりいると日がくれちゃうよ」(相田みつを)の言葉にあるように、やるべきことをきっちりとやり抜くことは重要なことです。

頭の中で考えているだけではなにも実現せず、何も残りません。仕事の上でも何も進まず、誰にも認められず、実績になりません。

リーダーシップで他者に影響を及ぼすにしても、メンバーに行動を見せる、言葉で語りかけるなど、何らかの「見える」行動が必要なのです。

考えは見えませんが、行動は見えるということが、私が行動を重視する大きな理由のひとつです。

まずは「アクションありき」と考えています。

行動の前に考えることが重要

では、考えなくて良いのかというとそうではありません。

まず行動が重要と言っても、無計画では困りますし、むやみやたらと動くわけにもいかず、ある程度の見通しは必要です。考えることなく動くことで効率も悪く、無駄な動きが多くなるかもしれません。

仕事をする際のPDCAサイクルの最初は計画Planとなっており実行Doに先んじてあります。

以前のブログで紹介したOODAループの最初は観察(Observe)、情勢分析(Orient)、意思決定(Decide)が来て、最後に行動(Action)となっています。

世間のフレームとしては、「考えて動く」を推奨しているようです。

考えて動くというのは理屈に適っています。

人間が行動を起こす時というのは、まず意識・感情が方向性を持つことで意図・意志に変化し、行動として発露する、このようなプロセスを経ることになります。

従って行動の前には何らかの方向性を持った意図・意志が存在しています。

動く前に意図・意志を明確にしておく作業が必要なのは言うまでもなく、「行動」の前提であると私は考えました。

アクションとリフレクション

「リフレクティブ・マネジャー」(中原淳 金井壽宏・光文社新書)という本の序文に「アクションとリフレクションのどちらが大事か」という問いが立てられていました。

「リフレクション」というのは内省のことです。

著者のひとりである金井壽宏氏(神戸大学大学院経営学研究科教授)はこのように書いておられます。

どちらかを選べと言われたら、私は、アクションを選ぶ。それが生きていることの根本だとも思う。しかし、人はただ生きているだけではなく、意味ある生き方、働き方を望んでいるのなら、アクションだけでは足りない。リフレクションの出る幕がある。特に今までのやり方に疑問が出てきたり、今まで通用していたことが通用しなくなったりしたときには、いったん歩みを止めて考えることが大事だ。

金井氏は、時代の変わり目や自分のキャリアの変わり目の節目に、深くしっかり考えてこれからどの方向に自分が進むべきかを考え、考えが定まれば行動に傾くのが良いとおっしゃっています。

私もまったく同意します。

結論「序・結論」

さて、考えて動くのか、動いて考えるのかという行動する問いに対する私の回答は「動いて考える」でした。

今は世の中の状況が目まぐるしく変化する時代です。

行動するのに綿密な計画を立てていてもその通りになることはありません

だとすれば、ある程度の見通しを立てて、まず動いてみる。動くことで実地に状況を、起こっている変化を体感する。その上で次のアクションを考え実行に移すといった手順の方が効率よく、良い結果が期待できるのではないでしょうか。

普段はこれらを連続で速度をあげて実行する「行動様式」が優れているのではないかと私は考えています。

ただし前提があります。大きな流れの節目には、行動の先にある方向性を深くじっくり考えるリフレクション(内省)が必要だということです。

「行き当たりばったり」はダメです。無秩序な行動には意味はありません。また、間違った方向のまま行動を続けてもゴールには到達できません。

行動する中にあって、方向性を検証するための内省の時間をしっかり取ることは大切です。

方向性をきちんと定めて、その都度の対応を臨機応変に前へ進めるという行動、行動後の状況変化を見極め、そして行動する。この「行動様式」は先に触れたOODA ループに似ているように思っています。

「主体性を持って考動する」「自分で考え行動する」こんな人材を育成することが私の使命であり、人材育成のポリシーだと考えていると申し述べました。

私の「考動する人材像」は行動により着実に前へ進んでいける人材をイメージしています。

(参考)OODAループについてのブログはこちらです。よろしければお読みください。

この記事を書いた人

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西口満

「気づきによる学び、自ら成長する」を支援し、ひとりひとりのウェルビーイングの実現と生産性の高い職場のチームづくりを行い、企業や社会の発展に貢献する

ビジネスリーダー育成コーチ、
人事戦略のコンサルティングをしています。

プロフェッショナルとして「人の成長」に関わり続けることをライフワークとし、少しでも誰かの成長のお役に立てれば幸いです。

ブログでは、そんな私が学んだこと、気づいたこと、感じたことを発信し、誰かの、何か、前進のヒントになればと思っています。

これからも情報を発信し続けます。

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