№242 会社の上司からは、「リーダーシップを発揮しろ!」「リーダーとして先頭に立て、率先垂範だ」といったことを言われ、さてどうしたものかと悩んでしまう人も多いではないでしょうか。
研修講師として、登壇しているとこんな悩みを抱えている人たちと多く出会います。そんな時、私は次のようにお話をさせていただきます。
「リーダーとは、先頭に立ってぐぃぐぃ引っ張っていく人であるとは限りません。」
Wikipediaによると、「指導者としての資質・能力・力量・統率力」とあり、一例として「自己の理念や価値観に基づいて、魅力ある目標を設定し、またその実現体制を構築し、人々の意欲を高め成長さながら、課題や障害を解決する行動」(グロービスMBA経営辞書より)をあげています。
P.F.ドラッカーは著書「現代の経営」において、「リーダーシップは資質ではなく仕事である」としており、信頼して付き従う者がおり、遂行すべき責任を全うする、リーダーシップを仕事そのものとして捉えています。
リーダーを付き従うフォロワーの存在はありますが、定義の上では必ずしも「ぐぃぐぃと引っ張っていく人」とはならないようです。
英語でのLeaderという言葉から、カリスマ的資質によってメンバーを引っ張っていくイメージが強いですが、決してそのようなものではなく、誰でも取り組むことができる仕事であり、誰でも身に着けることができる能力と言えそうです。
他には、「明確なビジョンと目標を示し、メンバーの成果を最大化させることによって目標達成を実現させる能力」や「集団に目標達成を促すように影響を与えられる能力、行動、ふるまいのこと」などと定義することもできます。
リーダーシップを「目標達成を促す影響力」とする定義もあります。
組織環境の整備や組織能力最大化のためのチームビルディングもリーダーの仕事です。
メンバーの前に立って引っ張る率先垂範のリーダーシップもひとつのカタチだと思いますが、メンバーの周囲にあってメンバーの行く手を阻む障害を取り除く環境整備型のリーダーシップもあります。
メンバーの横に寄り添い励ましながら伴走するリーダー、後から背中をそっと押す支援型のリーダーもあります。
サーバント型と呼ばれるものです。
あなたのリーダーシップスタイルはとんなものですか。
私は、それぞれが自分の得意なリーダーのカタチを目指せばいいと考えています。