№234 世界を幸せでいっぱいにするため、自分には何ができるかを考えさせる一冊でした。
今日のワンセンテンス
もしも1日200円しか使えなかったら?
出典『ビル・ゲイツの幸せになる質問』中谷昌文著(日本実業出版社)
著者の中谷昌文氏は、親のいない子供たちにランドセルを届ける活動『タイガーマスク運動』で知られる社会貢献家で知られています。起業家の育成など、社会に役立つ人材育成にも注力されています。
この質問は、世界一のお金持ち、ビル・ゲイツからの質問として紹介されています。
「もし、あなたが発展途上国に住んでいて、1日に200円しかお金を稼げなかったらどうしますか?」
ビル・ゲイツの答えは「200円を貯めて、雄と雌のニワトリを買う」だそうです。
やがてニワトリが卵を産みます。そして卵が孵ってまたニワトリが生まれる、そして卵を産む。やがて貧しい家にもお金が入ってくるようになり、人に分け与えることもできるようになる。
どんな境遇にあっても幸せになれる、幸せを分かち合うことができる、未来はあるということを教えてくれます。
ちょっとした行動が世の中の役に立つ。
この本は、世の中を幸せでいっぱいにするための行動をいろいろなエピソードから教えてくれています。
ペイ・フォワード
『ペイ・フォワード 可能の王国』という映画をご存知でしょうか?
主人公の少年が学校の先生に「もし自分の手で世界を変えたいと思ったら、何をする?」という課題を与えらます。
少年が思いついたのは、「ペイ・フォワード」自分が受けた善意や思いやりをその相手に返すのではなく別の3人に渡すということでした。
少年は「ペイ・フォワード」を実行しますがうまくいきません。
しかし、彼の知らないところで、その「ペイ・フォワード」がどんどんつながっていき、善意は世界に広まっていく...。
感動的な映画だったことを覚えています。
「ペイ・フォワード(pay it forward)」とは、直訳は「先に支払う」ということですが、人から受けた親切を別の人に親切をつないでいくことを言います。
やさしさは伝染する
私は腰痛持ちで時々立っていられない程にひどい時があります。
先日の出来事です。
通勤時の電車の中でつらい思いをしている時、自分の前に座っていた学生さんが席を譲ってくれました。
自分では我慢ができるほどでしたので、表情なく自然にしているつもりでしたが、つらさが素振り表情にも出ていたのかもしれません。学生さんが察して席を譲ってくれたのです。
親切を受けたその日はとても気持ちが穏やかになり、他の人に気遣いの声掛けをしたり、一日優しく接することができました。
他人からの優しさを受けた人は、優しい気持ちになり、それがその周囲の人に優しさの影響を及ぼすのです。
朝のジョギングの時に、散歩している人から「おはようございます!」と挨拶をされると、次に出会う人には自分から「おはようございます!」と声を出している自分に気づくことがあります。
優しい気持ちは伝染するんだなぁと思います。
自分の「ペイ・フォワード」を考える
私は、人材育成を仕事にしています。
もちろん自分の生活のために「稼ぐ」ということはありますが、そこには社会に貢献するということがなければなりません。
自分の「ペイ・フォワード」は何か?
私にとっての「ペイ・フォワード」は、クライアントや研修の受講者の皆さんの成長に真心をもって寄り添うことです。
研修にはいろいろなスタイルがあります。
大勢の受講生に対して学校のように講義をするスタイル、演習を中心に体験学習を中心に進めるもの、研修の目的によってさまざまな形態をとります。
私のスタイルは、ファシリテーター型でテーマについてのディスカッションを通じて受講者の気づく力に訴える方法になります。
ディスカッションの最中に適宜必要な情報を提供する、ディスカッションで行き詰った時に一緒に突破口を探る、見方が偏った時には別の見方を紹介する、などの方法です。
私のポリシーはできるだけ受講者ひとりひとりの気づきを大切にし、ひとりひとりの可能性を引き出すように心がけています。
そして、受講者ひとりひとりが次の行動を見出し、実際に次の一歩を踏み出せるように後押しをします。
私の励ましが、クライアントの勇気につながり、クライアントの行動につながる。
クライアントの成長が、クライアントの活躍につながり、社会に良い影響を及ぼすことになる。世の中が幸せでいっぱいになる。
そんな「ペイ・フォワード」を考えています。