2019年2月23日(土)日本ファシリテーション協会東京支部定例会@荏原スクエア(品川)テーマ1「カテゴライズ道場」の参加レポートです。
今回の定例会では、「カテゴライズ力」をテーマにした学びになります。
「カテゴライズ力」を磨くための道場です。
「カテゴライズ力」とは?
話し合いで出た雑多な意見をファシリテーターが分類したり関連付けたりする場面で、
- 「似た意見をまとめてラベル付け」
- 「全体を見ていくつかに大別するための切り口を見つける」
ために発揮される力、としています。
定例会の進行
参加人数は約30名、テーブル(島型の配置)あたり4~5名のチーム分け。
- オープニング
- 1回戦:付箋を動かしてカテゴライズ!
- 2回戦:付箋を動かさずにカテゴライズ!
- 3回戦:カテゴライズ力を測定する!
という、流れです。
道場訓として、次のルールを守ることとしています。
- いろいろな意見をよく聴く
- 積極的に参加する
- 習うより慣れろ!
道場での修行をイメージしました。
オープニング
最初に、日本ファシリテーション協会の説明、本日のテーマである「カテゴリー力」の解説がありました。
道場入り(チェックイン)ということで、A4の用紙にどう呼ばれたいか(ニックネーム)、どこから来たのか、本日のテーマに対する期待、について話す自己紹介をしました。
1回戦、付箋を動かしてカテゴライズ!
ワークの前半戦と後半戦で連携をするために、全チームを A チーム B チームに分けます。
(ワークのテーマ)
- Aテーマ「今年のゴールデンウィーク10連休の過ごし方」
- Bテーマ「良い会社とは?」
(前半戦)アイデアを付箋に書き、その付箋を各グループでカテゴライズする
いわゆるKJ法」と同じ作業を行いました。
1.個人で、付箋にアイデアを一枚に一つずつ書き出す(5分間)
- 人が見てもわかりやすいように書く
- 後半戦に使うため、 同じ内容を別の付箋に書き写す
2.各グループ内で付箋の内容を共有し、アイデアをカテゴライズする(10分間)
- カテゴライズ数フレームを検討
- そのフレームを使って模造紙の付箋を並べる
- 模造紙にフレームを書き込む
(後半戦)他のグループが書いた、違うお題の付箋を模造紙の上で動かしながらカテゴライズする
続いて、前半戦でコピーしておいた付箋意識を A チーム、Bチーム双方で交換します。
3.各グループ内で付箋の内容を共有し、アイデアをカテゴライズする(2のステップと同様)(10分間、)
- カテゴライズするフレームを検討
- そのフレームを使って模造紙の付箋を並べる
- 模造紙にフレームを書き込む
4.A B チーム相互でどのようなカテゴライズをしたのか話し合う
- 各チームから2~3名を選抜し、 ABチーム双方でメンバーの交換をする。
- カテゴライズのための切り口など、作成のポイントを共有化し、気づきを得る。
(1回戦での気づき、学び)
- 全部で6チームによるカテゴライズしましたが、チームによってそれぞれ「切り口」「軸」が違うということに気づきました。
- ファシリテーションの場においては、ファシリテーターの癖(傾向)によって「切り口」「軸」に大きく影響を及ぼす恐れがあるので、ファシリテーターとして注意が必要だということを学びました。
以上の観点を学ぶことができました。
2回戦:付箋を動かさずにカテゴライズ!
2回戦に入る前に、完全に席替えを行い、新たなメンバー編成で2回戦の前半戦後半戦のために AチームとBチームに分かれました。
(ワークのテーマ)
- Aテーマ「オリンピックで来日した外国人にもう一度日本に来てもらうためにはどうすればいいのか?官公庁職員として考える」
- Bテーマ「最大手セブンイレブンに勝つためのアイデアは?中小コンビニ・ミニステップ企画マンとして考える」
(前半戦)アイデアを付箋に書き、その付箋を個人でカテゴライズする1
A テーマもしくは B テーマ、チームに割り当てられたテーマについて検討をします。
1.個人で、付箋にアイデアを一枚に一つずつ書き出す(5分間)
- 人が見てもわかりやすいように書く(1回戦のようにコピーはしなくて良い)
- 付箋を模造紙にランダムに貼る
2.個人でアイデアをカテゴライズする(10分間)
- 各人が出した付箋を再度ランダムに貼り直す
- カテゴライズするフレームを検討、切り口や軸を個人ごとA4用紙に書く
- 付箋は動かさないで検討する
3.チームで共有化する
(後半戦)隣のチームのアイデアを個人でカテゴライズする
4.前半戦で作成した模造紙を隣のチームと交換する
5.あらかじめランダムに並べられたアイデアを、個人でカテゴライズする(10分間)
- 付箋を動かさないで検討する
6.チームで共有化する
7.それぞれのチームで前半戦・後半戦でどのような気づきが共有されたのか話し合う。
- 隣のチームとメンバーを半数ずつ交換
- 交換されたメンバーを交えて再度話し合いをします。
(2回戦での気づき、学び)
- 「場」のプロセスによって「切り口」「軸」の設定が大きく変わる体験がありました。
例えば、自分達でアイデアを出した作業の後で自分達でカテゴライズする場合は、頭脳がアイデア出しのモードになっており、アイデア発散の視点による「切り口」の傾向が強くなっていることに気づきました。
つまり、類似アイデアを追加する視点、見落としていたアイデアの漏れ抜けを補う視点になる「切り口」になったということです。
一方で別メンバーにより検討され、あらかじめ出されているアイデアをカテゴライズする場合には、アイデアそのものを評価するための「切り口」「軸」が出てきました。
例えば、アイデアの経済性、効果性、実行難易度などが「切り口」として出されることになります。
- ファシリテーションの場面に対する学びとしては、ファシリテーターとしては、発散と収束のステップの間にしっかりと「区切り」をつける必要があるということを学びました。
- このようにカテゴライズの「切り口」「軸」は多様で、個人や集団の影響を受けるので、「切り口」「軸」そのものもしっかりと評価することをステップに入れてファシリテーションしなければならないと思いました。
3回戦:カテゴライズ力を測定する!
さて、ワークを終えて「カテゴライズ力」の測定です。
難しい力量の定量化にチャレンジされた検討チームの皆さんには敬意を表したいと思います。
実際にブログには示せませんが、10問の設問で、切り口によって要素を分類する問題、切り口の設定をするなど、いくつかパターンがあり、20点満点のテストです。
10分程度の所要時間で簡単に測定でき、よく検討されていると思いました。
自己採点で15点でした。平均程度のできでしたがさらにトレーニングの動機づけになりました。
さいごに
ちなみに、定例会はセミナーではなく、日本ファシリテーション協会の会員が相互にファシリテーションについての研究を行い、学習し、啓発を行う場となっています。
なお、今回の定例会を経て、今後の行動に活かすという意味で次の宣言をして会場を後にしました。
ファシリテーションの場で、
「発散と収束を意識して分ける、一呼吸」
今後の取り組みの中で、カテゴライズ力を高めていきたいと思います。