2019年4月7日№159 ワンセンテンスブログ
研修講師として、受講生に「受けて良かった」と言ってもらうような研修をしたいと思っています。
良い研修を行いたいと日々考えています。
しかし、依頼される組織、受講生のニーズは様々ですので、良い研修も様々です。
逆に、してはいけない「ダメ研修」を考える方がより実務的だと思われます。
ダメ研修とは
1.研修内容と受講生とのニーズがあっていない
上司に言われたから研修に参加したということがよくあります。
上司がなぜこの研修を受けるように指示をしたのか、理由を本人に説明してくれていると良いのですが、往々にして部下を送り込むだけで丸投げのケースです。
受講生が課題を明確に持っているものの研修プログラムが合っていないケースもあります。
研修のタイトルや紹介内容が客寄せになっているために、何にでも役立つように書かれていることでズレが生じます。
ズレが生じても講師が臨機応変に対応すればいいのですが、対応が行われず型通りに研修が進められてしまっていることもあります。
受講生のレベルと研修の内容とのズレがあるケース、これも講師の対応力の問題です。
2.講師の説明が長い
講師はついつい上から目線になってしまいます。
また、受講生の方々に伝えたいことが多すぎて、あるいはヒートアップして、ついつい気持ちよく語り過ぎてしまいます。
私が最も陥ってしまう失敗のうちの一つです。
研修はOff-JTの場ですので、どうしても知識学習が中心になってしまいます。
実践は職場で行うことになりますので、研修では実践のための理屈を学び、納得して、行動のための意欲付けを行う場という位置づけになります。
また、どうしても「教える側=教えられる側」の構図になります。
「教える側」はたくさんのコンテンツを持っていますので、情報過多になる傾向があります。
最近は、知識学習は事前のe-Learningでカバーされるケースが増えてきています。
また、アクションラーニング、ワークショップ形式で、演習中心の研修も増えてきました。
しかし、一方で演習も講師のお仕着せになって、実践に向けた体験になっていないケースもまま見受けられます。
3.研修が一過性の学びに終わってしまう
「今日の研修は良かった」と言ってもらうのですが、職場で実践されないということも良く起こります。
ひょっとしたら、ほとんどの研修で当てはまるのではないでしょうか。
研修と現場の間には「死の谷」が横たわっており、これを越えるのはたいがい受講者任せになっています。
研修に参加して気持ちが盛り上がり、職場に帰って「よ~し」と思っても、そもそも研修に送り出した上司に理解がない、日常の忙しさに取り紛れてしまう、結果として意欲が萎んでしまうというのがほとんどではないでしょうか。
学んだことを使う機会がない、使わないので身に付かない、そのまま忘れてしまう。
慣れないので自信のないまま実践する、サポートしてくれる人もいないので、結果失敗して恥をかく。
研修終了後にそんなことが起こっています。
講師のフォローには限界があり、どうしようもありません。
できれば、単発の研修で終わらせず、継続的に受講生とかかわる仕組みが望ましいと考えています。
最後に
これまで、自分の経験を踏まえてのダメ研修について考えてきました。
その他にも研修講師して気をつけなければならないことはたくさんありそうです。
人材育成に関わる時の私のポリシーは、受講生や依頼される組織に
- 寄り添うこと
- そのために継続的に関わること
- 組織の風土に影響が及ぶこと、受講者の行動が変わること
を掲げています。
特に、最後の「影響が及ぶこと、受講者の行動が変わること」に一番拘りたいと考えています。
受講者の方々とのかかわりの中で、限られた時間を意味のあるものにすべくこれからも努力していきます。