2019年4月4日№156 ワンセンテンスブログ
はじめに
働き方改革関連法案の施行は、どの組織にも残業削減への対応を迫る結果となっています。
そして、残業削減分をカバーするために、AIの導入や外国人材の活用が有効だとされ、脚光を浴びています。
そんな中、働く人の幸福度を上げることによって組織の生産性の向上が期待できるという話を聞きましたので紹介します。
幸福が生産性を上げる?
幸福と生産性の関係について「ハーバード・ビジネス・レビュー」(2012年5月号「幸福の戦略」では、幸福感の高い社員の創造性はそうでない社員の3倍、生産性は31%高いという記事があります。
幸福度が高い社員は、欠勤率も離職率も低いという結果がでているそうです。
幸福度を上げる4つの因子とは?
「幸せのメカニズム実践・幸福学入門」(講談社現代新書、慶應義塾大学前野隆司教授)によれば、人の幸福は4つの因子を満たすことにあるそうです。
1.第1因子:自己実現と成長の因子(やってみよう因子)
・夢や目標をもって努力し、成長を実感できているか
・やらされ感では不幸につながってしまいます
2.第2因子:つながりと感謝の因子(ありがとう因子)
・多くの友人とつながり貢献できているか、他者に感謝されているか
・職場に感謝や信頼がなければ不幸につながってしまいます
3.第3因子:前向き楽観の因子(なんとかなる因子)
・ポジティブに物事を捉えているか、後悔ばかりしていないか
・物事をネガティブに捉えたり、過去の失敗にこだわると不幸につながってしまいます
4.第4因子:独立と自分らしさの因子(ありのままに因子)
・周囲の目を気にせず、「ありのまま」の自分らしさを大切にしているか
・周りの目を気にし過ぎ、自分を見失ってしまうと不幸につながってしまいます
これら4つの因子にどのようにアプローチしていけばよいのでしょうか。
働き方改革を進める中に、この4つの因子に働きかける取り組みがあればベストです。
会社でのコミュニケーションを促進する
私がお勧めする取り組みとしては、会社でのコミュニケーションの量・質を上げることに注力してはどうかと考えています。
例えば、1on1ミーティングを導入で社内コミュニケーションの量と質を向上させるという方法が考えられます。
コミュニケーションが活発になれば、「納得仕事」につながっていきますし、やらされ感の解消にも働きます。
相互信頼が進むことで、お互い協力したり、感謝したり、良好な人間関係が生まれます。
また、自分が「ありのままの姿」でいられる寛容さが組織に生じます。
不具合や失敗は、信頼関係がベースにあることで、将来に向けた学習の機会へと変わるでしょう。
まとめ
今、働き方改革のため課題となっている残業削減をAIや外国人材で埋めようとする動きがあります。
私は社員の幸福度を上げるという考え方に基づいて、働き方改革を進める方法が人間的で良いのではないかと考えています。
人材育成に携わる身の上としては、昨今のこの問題に対しては、組織内コミュニケーションを活発にするツールの提供で貢献していきたいと考えています。