2019年2月20日№114 今回のワンセンテンスブログは「フロー体験」の研究で有名なチクセントミハイのの言葉を取り上げました。
チクセントミハイは、幸福は金や権力など自分の外にあるものではなく、自分の内なる体験の中に幸福を決定づけるものがあるとしています。
私が「発見」したのは、幸福というものは偶然に生じるようなものではないということである。それは幸運や偶然の産物などではない。それは金で買えたり、権力で自由になるというようなものでもない。
それは我々の外側の事柄によるのではなく、むしろ我々が事柄をどのように解釈するかによるものである。事実、幸福とは一人一人に開かれているものであり、人それぞれによって守り育てられるべき状態なのである。内的な経験を統制できる人は自分の生活の質を決定することができるようになるが、それは我々の誰もが幸福になれるということとほぼ同じことである。”
(「フロー体験喜びの現象学」M・チクセントミハイ 今村浩明訳、世界思想社)
私たちは日常で「楽しい」と感じることがたくさんあります。
チクセントミハイは、それが「楽しい」と感じられる理由それぞれの中に類似点が見られるとして、心理的条件として抽出しました。
「楽しさ」の八つの主要な構成要素について
「楽しい」と感じる経験には八つの心理条件で、次のうちの一つ、しばしば全部が見られるとしています。
- 通常その経験は達成できる見通しのある課題と取り組んでいる時
- 自分のしていることに集中できている時
- その集中ができるのは、行われている作業に明瞭な目標があること
- および直接的なフィードバックがあること
(達成できたかできなかったのか、プロセスがどうであったのか、振り返りが可能なこと) - 日々の生活の気苦労や欲求不満を意識から取り除く、深いけれども無理のない程度に意識の集中が図れる時
- 自分の行為を自分でコントロールしているという感覚が持てる時
- 行為の最中は自己についての意識は消失するが、終えた後に自己感覚(効力感)がより強く現れる時
- 時間の経過の感覚が変わる。例えば、数時間は数分のうちに、数分は数時間に伸びるように感じられる時
誰もが幸福に
幸福は自分の外側にあるのではなく、自分の内側にあります。
自分が楽しいと感じられるかどうかは自分でコントロールできるということです。
コントロールするためのヒントは、八つの心理条件をいかに自分で作り出すことができるかにかかっています。
この条件を上手く使いこなすことができれば、誰もが幸福になれるということチクセントミハイは教えてくれています。