管理職の方への質問「部下の活躍の場をつくっていますか?」

№244 ビジネスコーチとして部下育成というテーマで質問を考えている時、この質問に出会いました。とてもインパクトのある質問だと感じられたので、より深く考えてみることにしました。

なんとなく部下育成

クライアントの管理職の方と部下育成についてお話をさせていただくとこのようにおっしゃる方が多くいらっしゃいます。

「部下育成はOJTが中心です。担当の仕事を任せて適宜指導しています」

そこで、「部下に活躍の場をつくっていますか」と質問してみます。

すると、「活躍の場ですか...、担当を任せています、場を与えていますが、活躍は本人次第...」と、そんな回答が返ってきます。

部下側にも質問してみます。

「自分に活躍の場が与えられていると思いますか」

すると、多くの部下は「任されてはいるけれど...」と活躍の場を与えられているとは感じていない様子です。「丸投げされている感じです」という回答の方も少なくありません。

部下からすると上司から育成されているという意識は薄いようです。

確かにOJTは部下育成の有効な手段です。しかし、そこには「「やってみせ 言って聞かせて させてみて 誉めてやらねば 人は動かじ」(山本五十六の言葉)のような部下とのかかわりが必要です。

多くの管理職の方が部下育成の重要性を分かっていながらも、実際は部下とのかかわりが不十分になってしまっているのではないでしょうか。

「部下の活躍の場をつくっていますか?」という質問

人材育成についてのコーチングをしている時にはクライアントに必ずさせていただく質問があります。

「部下の活躍の場をつくっていますか?」

「活躍の場」という言葉は、部下の姿表情をイメージすることができます。

「つくる」という言葉からは、意図的な行動をイメージすることができます。

この質問によって深く部下育成について考えていただくことにしています。

「活躍の場」とは何でしょうか。

・部下が意欲を持って取り組むことができる課題がある
・周囲からスゴイと認められ、自分の成長が実感できる機会がある
・部下がイキイキと仕事ができる環境がある

活躍の場をつくるために上司のできることは何でしょうか。

  • 部下の目標達成のための材料を揃えている、方針、権限、情報、資金など
  • 部下の意思を反映させ、モチベーションに配慮しながら任せる
  • 陰ひなたになって障害を取り除き、部下の目標達成に向けた環境を整備する
  • 時に叱り、時に褒め、承認する

さらに、考えを深める質問をいくつか考えてみました。自分へのコーチングのつもりで自問自答してみると部下育成の良い振り返りになります。

  • 部下のことをどれくらい知っていますか
  • 部下が興味を持っている課題は何ですか?
  • 部下が意欲を持って取り組ませるために何が必要ですか?
  • その課題に取り組むことで部下は何を得られますか
  • 部下の成長課題はなんですか?
  • 部下がイキイキと仕事ができる環境とは何でしょうか。
  • 部下が課題達成に向けて最も障害になりそうなものは何でしょうか。
  • 部下が障害を乗り越えるために、上司として支援できることは何ですか。

「活躍の場をつくっていますか」という質問をきっかけにこのように部下育成を具体的に掘り下げていくことができます。

部下との信頼関係を結ぶ

部下育成には、上司の意図的かつ具体的な行動が求められます。

部下の活躍する姿を想像することで、部下育成に対する考えを深めていく道筋を書いてきました。

もうひとつ部下の活躍する姿を想像することで、上司が得られることがあります。

それは部下との信頼関係です。

姿を想像する時、顔の表情が思い浮かびませんか?

イキイキと仕事をする楽しそうな顔。達成した時の喜んでいる顔。壁にぶち当たっている時の苦しそうな顔。悔しくて泣きそうな顔。そこには部下がいるのと同時にひとりの人間がいます。

部下の感情に思いが至れば、部下との共感が生まれます。部下との共感が生まれれば、部下との信頼関係が結ばれます。

目標や課題を共有し、成長や感情を共感する。部下をひとりの人として認めることが信頼関係の根っこにあります。

「部下の活躍の場」からここまで考えるには少々飛躍が過ぎるかもしれませんが、ここまで考えが深まればいいなぁと思っています。

この記事を書いた人

烏山資之

烏山資之

企業で「人の成長」にかかわる仕事に長く携わってきました。

プロフェッショナルとして「人の成長」に関わり続けることをライフワークとし、少しでも誰かの成長のお役に立てればと思っています。

ブログでは、そんな私が学んだこと、気づいたこと、感じたことを発信し、誰かの、何か、前進のヒントになればと思い情報を発信し続けます。

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