視野を広げる、視座、視点を高くするなど、人材育成の場面でよく聞かれる言葉です。
その時には、「いろんな見方ができるようになればいい」といった大まかな受け取り方をしてしまいがちです。
どういうことなのか、少し考えてみます。
視座、視野、視点という言葉にはどのような違いがあるのでしょうか?
整理するとこのようになります。
- 視野…どこまで見るか?どの範囲まで見るか?
- 視座…どこから見るか?どの立場で見るか?
- 視点…何を見るか?注目ポイントは?
多様なものの見方ができるというのは、これら視野、視座、視点をずらしていくことを意図的に行うことができるということです。
コーチングでクライアントの「ものの見方」を広げる時の例をあげます。
まず、コーチとしてはクライアントへ寄り添う意味からもクライアントの立場に立って考えるようにします。(視座転換)
そして、クライアントの抱えている問題にフォーカスし(視点を定める)いろいろな質問をしていきます。
問題についてお聞きする中で、クライアントの視野を広げていきます。
例えば、問題の背景、起こった経緯、周囲への影響度、問題そのもの意味など、問題に関係することについて一緒に考えていきます。
視野を広げる中で、クライアントが気になる事柄にぶつかれば、それについて詳しく聞いていきます。(視点を定める)
視座を変えます。
例えば、問題の関係者にはどう見えているのか?会社であれば、上司、部下の立場、社長の立場、他の部署の立場、顧客の立場で考えて見る、視座をずらして考えてみます。
幽体離脱して、上空から見てみるというのもありです。
コーチングの流れとしては、①現在の状況②ありたい姿③ギャップの明確化④行動計画の順で進めていきますが、クライアントの視点を問題解決の手順に従ってずらしているということになります。
視座が変われば、視野が変わり、着目する視点も変わります。
このようにものの見方をずらして質問して、クライアントの「ものの見方」を広げていきます。
このように視座、視野、視点と分解し、これらを意識してずらすことで「ものの見方」を広げるやすくなりました。