「to be あること」を問う、エーリッヒ・フロムから学ぶ人材育成の考え方

2019年2月21日No.115 エーリッヒ・フロムは「to have(持つこと)」と「to be(あること)」の差についての議論をしています。

人材育成に関わる人にとっては大きな考え方の差があります。

学習において「持つこと」と「あること」は、2つの異なる世界を喚起します。持つことを目指す学習者は、与えられた知識の「所有者」になることを目指し、白紙の自己に学んだことを記憶し、固守することを目指します。一方、「あること」を目指す学習者は、ある関心のもとで話に耳を傾け、受け入れ、反応します。(『生きるということ』エーリッヒ・フロム 佐野哲郎訳、紀伊國屋書店

「to have(持つこと)」は「所有すること」を意味しています。特に資本主義社会である現代では優先される価値観であり、人々は私有することを目指して行動することを考えます。

一方で「to be(あること)は「持つこと」とは対照的に、ただただ「生きていること」を意味するだけですが、社会とどのような関係を結んでいるか、真の現実や物事の本質といった価値観が問われることになります。

言い換えれば、「あること」は「持つこと」にはこだわることなくのない執着しない態度であり、変化を恐れず、受け入れ、他者とつながり、自在に成長することができる態度であるということができます。

「to have(持つこと)」と「to be(あること)」の価値観の違いは、私たちの「学ぶ」姿勢においても大きな違いが生じます。

「持つこと」を目指す「学び」は、与えられた知識、ノウハウの「所有者」になろうとし、記憶し、学んだことに固守するようになります。

一方で「あること」を目指す「学び」は、受け入れ、他者と共有して、活用します。

人材育成の場面では、昔ながらの教育では知識を所有させるために記憶させ、訓練することが中心でしたが、「あること」についての育成は慣れておらず、難しいとされています。

どちらも大切な人材育成に対する姿勢ですが、人が「より善く生きる」ためには「あること」についての「学び」を重視する方が良いのではないかと私は思っています。

この記事を書いた人

烏山資之

烏山資之

企業で「人の成長」にかかわる仕事に長く携わってきました。

プロフェッショナルとして「人の成長」に関わり続けることをライフワークとし、少しでも誰かの成長のお役に立てればと思っています。

ブログでは、そんな私が学んだこと、気づいたこと、感じたことを発信し、誰かの、何か、前進のヒントになればと思い情報を発信し続けます。

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