マネージャーに求められるリーダーシップ:率先垂範型から「借り物競争」のネットワーク型へ
№183リーダーシップコラムです。
マネージャーは「率先垂範」するものと言われています。
マネージャーは、部門で一番仕事のことをよく知っている人でなければならない、そうでないと務まらない、などと言われていました。
マネージャーの悩み
私はマネージャーの悩みをよく聞くことがあります。
マネージャーに任命されたものの、「部下の方が仕事内容を知っているのでうまく指示ができない」「指示、判断をするにも自信が持てない」など、特に他部門から赴任したマネージャーからよく聞く言葉です。
「もっとリーダーシップを発揮してぐぃぐぃ部下を先頭で引っ張っていきたい」「もっと強く指示したい」「部下の手本となって、部下を指導しなければ」「できる自分を見せて部下の信頼を勝ち得たい」など、悩む声を聞くこともたびたびです。
マネージャーのリーダーシップ「率先垂範」
マネージャーの悩みの背景にあるのは、率先垂範型のリーダーシップです。
マネージャーたる者、部下に対してしっかりと指示命令、指導しなければならない。
マネージャーは、その部門において誰よりも熟練しており、情報を持っており、優れた人材でなければならない。
そのようなマネージャー像です。
また、マネージャーの部下に対する役割像として、部下は視野が狭く情報を持っておらず、指示命令を受け、指導されるべき人材という像になっています。
この上司・部下像は、高度成長時代の縦の組織におけるリーダーシップとして有効でした。
しかし、現在では少々様相が変わってきています。
部下をフォローするマネジメントへ
情報・技術革新のスピードが加速しています。
マーケット情報は顧客を訪問する現場にありますし、生産現場でもAIやロボットが導入されつつも、不具合や効率アップの情報は現場でしかわかりません。
現場に近い部下の方が有効な情報を多く持っており、判断するケースが増えてきています。
また、部下の方が専門家であることも多くなりました。
若い世代を中心に専門性に対する意識が強くなっており、自ら教育を受け、学習している人が多くなりました。
特に成長意欲の強い優秀な人ほど、「世間で通用する技能」を身につける意識が高く、自分で学んでいます。
キャリア採用が増えており、技能経験のある部下がいきなり組織に入って来ることは日常茶飯事です。
マネージャーは、率先垂範というよりも部下をフォローする側に回る方が自然なマネジメントの姿になりました。
マネージャーのリーダーシップは「借り物競争」!?
私はマネージャーのリーダーシップの本質を「借り物競争」だと思っています。
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・マネージャーに求められるリーダーシップ:良いチームづくり、「自分にはできない」ことを自覚(№184)