2019年3月18日№139 ワンセンテンスブログ
セミナーを受ける機会が増えてきました。
企業内にあっては人材育成の重要性が増し、社員教育の機会が増えています。会社が社員を社外のセミナーに派遣することが多くなりました。
また、企業によらず個人としてスキルアップのニーズも高まっており、身銭を積極的に切って自己研鑽する人も増えてきています。
今回は、セミナーを受講する時の必須事項について考えました。
セミナーでは「一般解」しか教えない
セミナーを受ける時の動機は何でしょうか。
上司に言われたから、何となくためになりそうだから、情報収集のため、○○のスキルに興味があるから、仕事に活かしたいから....。
いろいろあるとは思いますが、貴重な機会ですので、積極的に受講したいものです。
一般にセミナーというのは、あるテーマについての講義、教育を受ける機会となっています。
教育の内容が決まっており、「答え」が用意されているのが一般的です。受講生はそれを受け取らなければなりません。教えてもらうということから、受身的です。
また、セミナーは多くの人を対象としていますので、そこでの情報は一般化された課題に対する「一般解」です。
「一般解」は実際の個々の課題に直接的にあてはまるケースではないことが多いので、理想論とみなされたり、自分ごととして受け取れなかったり、「しなければならない」と義務的に感じられてしまう側面があります。
特に自らの意思で参加したのではない場合には、セミナーがつらいもの、おもしろくないものと感じられてしまうことがあります。
セミナーに参加しても効果があがらないといったことが起こるのは、これが原因になっていると思われるケースが時々見られます。
自分ごととしての「特定解」を探す
積極的にセミナーを受講するということはどういうことでしょうか。
セミナーは講義を受ける機会ではありますが、能動的に「答え」を探す機会だとも考えられます。
実際に自分が抱えている課題に対する「答え」のことを「特定解」といいます。
セミナーは、自分の「特定解」に向けた情報収集の機会であり、「一般解」を自分の「特定解」へ翻訳する機会でもあります。
そのように捉えてセミナーを活用することが、積極的に受講するということなのです。
自分ごととしての課題を持ち込もう
積極的に研修に参加するには、あらかじめ課題が必要です。
課題に対するアンテナが立っていないと情報の中から「特定解」を見つけることはできません。そもそも「問い」そのものを立てて臨む必要があるということです。
先日、キャリアコンサルタント向けのキャリア形成の組織内運営についてのセミナーがありました。
あらかじめ「企業内で社員のキャリア形成を計画的に進めるには、どのような手順ですすめればよいか」という課題を持っての参加でしたので、キーパーソンは上司であること、導入推進担当者の熱意の有無、経営トップのコミットメントが重要など、キーワードがどんどん頭に入ってくることを感じました。
心理学で「選択的認知」というものがあります。脳は欲しいと思っている情報しか受け取らない、常に外界の情報から欲しい情報を選択して認知するということです。
人間は「見ようとするものしか見えない、聞こうとしていることしか聞こえない」と言われています。
まとめ
セミナーを受講する時には、自分ごととしての課題を持ち込みましょう。
講師からの情報は「一般解」ですので誰にでも適用できますが、誰にも適用できる訳ではありません。また、すぐに忘れてしまいます。
しかし、あらかじめ課題を用意し、脳にアンテナを張ることで、頭に入って来る情報は格段に増え、自分の仕事に「特定解」として適用することができます。
あらかじめ具体的な課題を持ち込むことが、セミナーを効果的に受講するための必須事項ということになります。