マネジメント・スパイラルとは何か ― 成長は直線ではなく、スパイラルで起こる ―

マネジメントとは何か

マネジメントをどのように捉えるかによって、
マネージャーの行動も、組織のあり方も大きく変わります。

マネジメントは、問題を解決する技法でしょうか。
あるいは、組織を管理するための手法でしょうか。

もちろん、それらの側面もあります。
しかし、実際のマネジメントの現場に目を向けると、別の側面が見えてきます。

マネージャーは日々の実践の中で、判断に迷い、人との関係に悩み、組織の課題に向き合います。
その経験を振り返り、意味を考え、次の行動を構想し、再び実践する。
この繰り返しの中で、思考が深まり、視野が広がり、判断の質が高まっていきます。

つまり、マネジメントとは、
実践を通じて思考と視座を高めていく成長の営み
であるといえるのではないでしょうか。

そして、この成長のあり方は、直線的なものではありません。
経験を重ねるほど単純に成長していくわけではなく、
試行錯誤や振り返りを繰り返しながら、少しずつ高い次元へと進んでいきます。

成長は直線ではなく、スパイラルで起こるのです。

この考え方を、マネジメントの文脈で捉えたものが、
マネジメント・スパイラルという概念です。

マネジメント・スパイラルのプロセス

マネジメント・スパイラルは、次のようなプロセスとして理解できます。

実践
省察
意味づけ
構想
再実践

このプロセスは、経験学習の考え方にも近いものです。
しかし、単なるサイクルではありません。

経験を重ねるごとに、思考の質が高まり、
視座が上がり、より高い次元の課題に向き合うことが可能になります。

このように、成長が上昇しながら進む点に、
スパイラルの特徴があります。

マネジメント・スパイラルの4領域

マネジメント・スパイラルのもう一つの特徴は、
成長が個人にとどまらない点にあります。

マネジメントの現場では、複数の領域で同時に成長が起こります。
そして、それぞれの成長は独立しているのではなく、相互に影響し合いながら進んでいきます。

このように、マネジメント・スパイラルでは、
4つの領域で起こる相互作用によって成長が生まれると考えます。

これを、マネジメント・スパイラルの4領域と呼びます。

まず、マネージャー自身が成長します。
実践と省察を通じて、思考と視座が高まっていきます。

マネージャーの視座が高まることで、メンバーへの関わり方が変わります。
すると、メンバーの主体性や能力が引き出され、メンバーの成長が起こります。

メンバーが成長すると、チームの関係性や意思決定の質が変化し、
組織としての成熟が進みます。
こうして、組織の成長が生まれます。

さらに、この一連のプロセスの中で、
マネージャー自身の価値観や人間理解も深まっていきます。

人との関わりや葛藤の経験を通じて、
スキルの向上を超えた、人としての成長が生まれるのです。

このように、マネジメント・スパイラルは、

・マネージャーの成長
・メンバーの成長
・組織の成長
・人としての成長

というマネジメント・スパイラルの4領域において、
それぞれの成長が相互に影響し合いながら進んでいきます。

マネージャーの成長がメンバーの成長を促し、
メンバーの成長が組織の成長を生み、
組織の成長がさらにマネージャーの視座を高める。

このような相互作用の中で、
成長は直線ではなく、スパイラルとして高まっていくのです。

マネジメント・スパイラルとは、
実践と省察を繰り返しながら、
マネジメント・スパイラルの4領域における成長が相互に作用し、
より高い次元へと進んでいく成長のプロセスなのです。

この記事を書いた人

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西口満

人はいかに成長するのか。
この問いを出発点に、キャリアコンサルティング、コーチング、人材育成の実践に取り組んでいます。

このブログでは、キャリアを中心とした人の成長に関わる探究と、成長を支える支援のあり方について発信しています。
これからも情報を発信し続けます。

キャリア開発・人材育成コンサルタント
オフィス気づきと学び 代表

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